恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】
42.颯の要件
「あ……」
小さく声が漏れて、口を塞ぐ。
目の前の扉がゆっくり閉まっていく。
閉まる途中で凪くんが顔を上げて、視線が重なる。
扉が閉まった。
光は遮断され、薄暗い空間に膝から崩れ落ちた。
さっきの光景が脳内で繰り返される。
扉が開いて、薄暗い空間に光が差し込んだ。
銀色の髪の凪くんは天使みたいに綺麗だった。
「……凪くん」
凪くんは私を優しく抱き締めた。
匂いも、体温も、もう感じる事は無いと思っていた。頬を涙が伝い続ける。
「……ヤキモチばかりで、ごめん」
「……私こそごめんなさい」
次の瞬間、ドアが開きユリさんが出てきた。
ユリさんの視線がこちらに向く。
「……先、帰るね」
それだけ言うと、階段を降りていく。
ユリさんの目は腫れていた。
「……行こ」
凪くんに手を引かれ、屋上へ移動する。
扉が閉まると、冷たい風が頬を撫でた。
さっきまで締め付けられていた胸が、ほんの少しだけ緩んだ。
音の無い時間が続く——
凪くんはフェンスに寄り掛かり、崩れ落ちた。そこに、一歩、一歩近付く。
そして、向かい合うようにして腰を下ろした。
両手を膝に置いて項垂れている、凪くん。
その指先は微かに震えていた。
勢いよく視線を上げると、凪くんの目の周りと鼻先が赤く腫れている。
「……弱くてごめん」
凪くんは絞り出したような声で、そう呟いた。
手を伸ばして、凪くんの手を包み込む。指先は氷のように冷たい。
小さく声が漏れて、口を塞ぐ。
目の前の扉がゆっくり閉まっていく。
閉まる途中で凪くんが顔を上げて、視線が重なる。
扉が閉まった。
光は遮断され、薄暗い空間に膝から崩れ落ちた。
さっきの光景が脳内で繰り返される。
扉が開いて、薄暗い空間に光が差し込んだ。
銀色の髪の凪くんは天使みたいに綺麗だった。
「……凪くん」
凪くんは私を優しく抱き締めた。
匂いも、体温も、もう感じる事は無いと思っていた。頬を涙が伝い続ける。
「……ヤキモチばかりで、ごめん」
「……私こそごめんなさい」
次の瞬間、ドアが開きユリさんが出てきた。
ユリさんの視線がこちらに向く。
「……先、帰るね」
それだけ言うと、階段を降りていく。
ユリさんの目は腫れていた。
「……行こ」
凪くんに手を引かれ、屋上へ移動する。
扉が閉まると、冷たい風が頬を撫でた。
さっきまで締め付けられていた胸が、ほんの少しだけ緩んだ。
音の無い時間が続く——
凪くんはフェンスに寄り掛かり、崩れ落ちた。そこに、一歩、一歩近付く。
そして、向かい合うようにして腰を下ろした。
両手を膝に置いて項垂れている、凪くん。
その指先は微かに震えていた。
勢いよく視線を上げると、凪くんの目の周りと鼻先が赤く腫れている。
「……弱くてごめん」
凪くんは絞り出したような声で、そう呟いた。
手を伸ばして、凪くんの手を包み込む。指先は氷のように冷たい。