恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

47.君じゃなきゃ嫌だ

「……お前、誰に口きいてんの?」
迅さんがそう口にした瞬間、颯さんは一歩後に下がる。
凪くんは私の手を引き、颯さんの元に向かった。
「……颯くん」
颯さんは、凪くんを刺すような視線で見る。
「なに?」
「今後、美月に関わって欲しくないから」
「なに?そんなに俺が怖いわけ?」
凪くんは、颯さんをじーっと見つめた。
「……うん。怖い」
颯さんは、目を丸くして凪くんを見たままぴくりとも動かない。
「だから、今日で美月に関わるのは最後にしてくれる?」
「なんで?」
「なんでって、何が?」
「だって、あんたなら女なんてよりどりみどりだろ?」
「うん。それが何?」
「別に誰でも良くね?」
凪くんは悲しそうに下を向いた。
「……僕、美月じゃなきゃ嫌だもん」
迅さんが凪くんに近付き、頭を撫でる。
「……というか、散々苦しめた事くらい理解してるよな?」
凪くんは上目遣いで迅さんを見つめた。
「僕、大丈夫だよ?
……ところで、颯さんは彼女いるんでしょ?」
颯さんは小さく頷いた。
「なら余計に美月に関わらないでくれる?大丈夫なら、指切りしよう?」
そう言って、小指を立てて差し出した。
「……意味分からない」
颯さんは頭を抱えて座り込んだ。
「なんで、そんなに人を好きになれるんだよ?」
「美月の事。子供の時に一目惚れしてから、ずっと好きだよ」
凪くんは遠くを見つめながら、唇を動かした。
「だからさ、余計に邪魔されたくないの」
「……独占欲かよ」
「……うん」
颯さんは気怠そうに立ち上がる。
「……分かったよ。
ただ、最後に美月と喋らせて」
「……僕の目の前でお願い」
「……はいはい」
颯さんは私の元まで歩いてくると、頭を軽く下げた。
「……顔に傷を付けてごめん。それだけ」
              

                 END
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