恋は、長そでの途中
金曜日。
仕事を終えた私たちは、彼の怪我が治ったお祝いに食事に出かけた。
22時を過ぎた帰りの電車は、酔客と残業を終えた会社員でひしめき合っている。
「混んでるな。大丈夫?」
揺れるたび、彼は私を引き寄せ、腕の中に留めてくれた。
「ありがとう、蓮」
まだ言い慣れない名前を口にすると、蓮は嬉しそうに目を細める。
私の降りる駅まで、あと二駅。
不意に「亜矢」と呼ばれて、至近距離にある顔を見上げる。
「今夜、このまま、うちに来ないか」
「……!」
鼓動が強く跳ねた。
蓮は、耳を赤く染めて視線をそらしている。
私は、守るように包む両腕に視線を落とした。
この腕に抱かれて眠る夜、目覚める朝。
それを思うだけで、胸が甘く満たされた。
返事の代わりに、彼の腕にそっと手を添える。
電車は、窓に無数の灯りを映しながら夜の街を駆け抜けていく。
この先にある明日も、巡りくる季節も、彼に寄り添って笑っていたい。
そう願いながら、私は、車窓に流れる夜景の先に、ふたりの未来を重ねるのだった。
仕事を終えた私たちは、彼の怪我が治ったお祝いに食事に出かけた。
22時を過ぎた帰りの電車は、酔客と残業を終えた会社員でひしめき合っている。
「混んでるな。大丈夫?」
揺れるたび、彼は私を引き寄せ、腕の中に留めてくれた。
「ありがとう、蓮」
まだ言い慣れない名前を口にすると、蓮は嬉しそうに目を細める。
私の降りる駅まで、あと二駅。
不意に「亜矢」と呼ばれて、至近距離にある顔を見上げる。
「今夜、このまま、うちに来ないか」
「……!」
鼓動が強く跳ねた。
蓮は、耳を赤く染めて視線をそらしている。
私は、守るように包む両腕に視線を落とした。
この腕に抱かれて眠る夜、目覚める朝。
それを思うだけで、胸が甘く満たされた。
返事の代わりに、彼の腕にそっと手を添える。
電車は、窓に無数の灯りを映しながら夜の街を駆け抜けていく。
この先にある明日も、巡りくる季節も、彼に寄り添って笑っていたい。
そう願いながら、私は、車窓に流れる夜景の先に、ふたりの未来を重ねるのだった。

