素のまま恋
✧高鳴る鼓動












ついこの間、夏休みだったはずなのに。

もうこの季節がやってきた。



「──では来月の文化祭でうちのクラスは和風喫茶をやることに決定します」


おー、とやる気がある返事とだるそうな返事がまざりあい、内装の案がとびかう。


和風喫茶、か。

発端は女子が浴衣を着たいと言い出したこと。
それから男子は甚平で喫茶店にしようと、話し合い早々に話がまとまった。

私が旅館の娘であることで、浴衣や帯の貸し出しが出来ることも、決まる理由の一つで。

変にふざけた案が出されたり、決まったりするよりは断然いい。






と、思っていたのに──


『花とか飾ったら映えるんじゃない?』という意見に賛同するクラス。

それに対しては別に言うことはなかったけど、この次。

『造花でいいよね。誰が飾る?自称センスいい人挙手してくれー』

『華道界の貴公子くんに頼めないかなーどうせなら本格的にいきたいよね』


という声にまたも賛同の嵐。

私ひとりが、嘘でしょ?と思っている中、私へと視線が集まってきて……

『詩姫ちゃん頼めない?話してるとこ見たことあるし、うちらじゃ話聞いてもらえなさそうで』

嫌です。って答えたい気持ちをおさえて、私の中のお嬢様の化身が笑って答えていた。

任せて、と。
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