素のまま恋
貴公子は供たちのもとへ行き、汚れる手を見て、あーあ、と声をもらす。
「どろだんご作ってたんだ。だけど椿冴が女の子といたって聞いたから、来てやった!」
「だろうな。いや来んなよ」
「どろだんご見る?外にあるよ!」
子供たちは服で手を拭きながら尋ねてきた。
やめろ、と言う貴公子の言葉を聞かず。服までもが茶色に……。
「見ねぇ──」
「私、見たい!」
「……は?」
「いいよ!」
「こっちおいでよ!」
「ちょ、おい皆森っ」
幾分か落ちたけど未だ土がつく手の子供たちに引かれ、私は構わず走り出した。
鼓家の庭の隅に連れてこられ、バケツに砂を持ってきていたのか、水だけをもらって作っただんごを二人は私に差し出す。
しゃがんで、手のひらで受け取るも鞄に入れてあったどろだんご。手や服に加え、鞄の中も汚れてる。
「ほら、きれーにできたでしょ?」
「がんばったんだよ!」
「うん、頑丈ね」
失礼してつついても、かたく作られたどろだんごはびくともしない。