素のまま恋
これは、なんだかまずい展開?
明らかに強そうな見た目。
なんとなく目をそらしたらいけないと思い、ゆっくりと鞄に伸ばした手を引っ込めていく。
すると、
「お前──」
「な、なんすかっ!」
男の子はどんどんこちらに近付いてきて、私の前にしゃがんだ。
な、なんだ……。
「や、やんのか……やれるもんならやってみろって、感じだっての」
とか言って虚勢をはってみるけど、地味にこわい。
座りながら、威嚇にもならなそうなファイティングポーズを取れば、男の子は目を細めた。
「お前、俺がそこにいるやつと同じカツアゲ野郎だと思ってんな?」
「え……違うの?」
見た目はばっちり不良、にしか見えない。
「ふざけんな、あんな低レベルな連中と同じにしてんじゃねぇーよ」
「だって」
「だってなんだよ」
「見た目が仲間っぽい」
襟足だけ伸びた明るめの茶髪に、ピアスに指輪……少し目つきが悪い切れ目。
それと、今の蹴りを見たら、ねぇ?
「バカ言え。これが俺の普通だ。……というか、あんたの制服それ……」
彼の視線が私の制服を指さした。
「制服?……あ!!」
「は?」
しまった……!!
この制服を着ている時だけは、お嬢様の化身になると決めていたのに──!!
後悔先に立たずとはこのこと……。