『隠れモテ美少女と俺様王子の365日同居生活。〜学校一の俺様王子は、裏でモテすぎてるらしい私を絶対に離さない〜』
放課後の空き教室で、零くんに「俺も、心配するんだからな」と迫られてから、

私はどうやって家に帰ってきたのかほとんど覚えていない。

心臓の音がうるさすぎたことと、夕方の街並みがやけにキラキラして見えたことだけは覚えている。

夜になり、零くんのお父さんは今日も仕事の会食で遅くなるらしく、リビングには私と零くんの2人きり。

気まずい沈黙を破るように、2人で並んで遅めの晩ご飯を食べていた。

「……おい、結愛」

不意に、正面に座る零くんから、低くてぶっきらぼうな声で名前を呼ばれた。

「えっ……? な、何かな、零くん」

学校での一件以来、私はどうしても零くんの顔を真っ直ぐ見られなくて、ビクッと肩を揺らしてしまう。

だけど零くんは、学校でのあの余裕のない表情からいつもの涼しげな顔に戻っていて、じっと私の顔を見つめていた。

「お前、本当に真面目のくせにドジだよな」
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