ひまわりが咲く場所で

すり抜けていく砂時計

9つの約束を伝え終えたその夜から、私の体は坂道を転げ落ちるように、急速に自由を失っていった。


翌朝、目が覚めた時には、もう自分の力で上体を起こすことすらできなくなっていた。指先ひとつ動かすのにも、まるで冷たく重い泥の中に沈んでいるかのような疲労感が全身を支配している。

「あ、れ……」

声を出そうとしても、かすれた吐息のような音しか喉から出てこない。

枕元に置いてあったお揃いの星のキーホルダーに手を伸ばそうとしたけれど、私の指はシーツをかすめるだけで、そこまで届かなかった。

「莉緒……っ!」

面会に来たのか、部屋に入ってきたるいくんが、私の異変に気づいて駆け寄ってくる。その顔は、運動会のあの日に見たときよりも、ずっと青ざめていた。

「るい、くん……ごめん、ね……手が、動かなくて……」


「喋るな。もういい、喋らなくていいから……!」


るいくんは震える手で私の手を包み込み、自分の額に押し当てた。


伝わってくる彼の体温だけが、今の私が生きていることを証明する唯一の熱だった。

るいくんが握ってくれる力に対して、私からはもう、握り返す力すら残っていなかった。私の体の中の砂時計は、残酷なほどの速さで、最後の砂を落とそうとしていた。
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