未来と過去とイフがわかるお嬢様の学園生活
部屋を出ようと扉を開けると、
そこにはクラスメイトの憂狩ゆずきちゃんが立っていた。
146.1センチしかいない小柄な私とは違い、
彼女は168センチもあるため、
自然と見上げる形になる。
「ゆずきちゃん、いたの? それならノックくらいしてくれてもいいのに」
「しようとしたわよ」
あきれ顔でゆずきちゃんは答えた。
「だけど、その前に君が扉を開けてしまったの」
「もしかして、ダメだった?」
「ううん、ダメってことはないわよ。あのさ、このあと暇?」
「暇かしら。だから、これから定食屋に行こうとしていたの」
「定食屋? もしかして、この学園付近の?」
「そうだよ」
「あそこ、うどんやカツ丼がおいしいって評判の店でしょ? 勝恋ちゃんは何を食べるの?」
「カツ丼」
「意外。勝恋ちゃんはコーヒーや紅茶が好きそうなイメージがあるから」
クリチェートと同じことを言われてしまった。
私ってそんな風に見えるのだろうか。
自分では、
自分がどう見られているのかよくわからない。
「紅茶やコーヒーは苦手なのよ」
「意外。どうして?」
「コーヒーは独特の苦みがあるし、
紅茶は匂いがダメなの」
「じゃあ、カフェとか行けないでしょ?」
「それもカフェによるわ。コーヒーや紅茶が置いていないような……」
「あたし、そんなカフェ聞いたことないわ。……ねえ、それならあたしも一緒に定食屋に行こうかな。ダイエットには、うどんが良いと思う?」
「ダイエット?」
私は不思議そうに尋ねた。
「ゆずきちゃんは、
そんなに太っているようには見えないけれど」
私の言葉に、
彼女は少し戸惑った様子を見せた。
「そうじゃなくて、その……なんていうか、予防よ! ええと、ほら、あたしって太りやすい体質だし?」
その慌てぶりに「好きな人でもできたの?」と聞きそうになったが、
あまり良くない未来が見えたため、
追求するのはやめておくことにした。
「なんだか怪しいわね。それで、定食屋はどうするの? 私は迷わずカツ丼を食べるけれど」
「勝恋ちゃんは、そんなハイカロリーなものを食べても太らないの?」
カツ丼を食べたらどうなるか、
私にはわかっている。
定食屋でカツ丼を食べたくらいで太る未来も『イフ』も存在しなかった。
「カツ丼を食べたくらいで、どうってことないわ」
私は堂々と答えた。
何を食べるかも食べないかも私の自由なのだから、
なるべく好きなものを食べたい。
「ゆずきちゃんは、定食屋に私を誘いたかったの?」
「ううん、実は……猫カフェなんてどうかなって」
「猫カフェ?」
私は思わず目を輝かせた。
あぶきと同居していた頃には、
絶対にあり得なかった提案だ。
あぶきは猫アレルギーなのだから、
猫と触れ合うなんて言語道断だった。
そこにはクラスメイトの憂狩ゆずきちゃんが立っていた。
146.1センチしかいない小柄な私とは違い、
彼女は168センチもあるため、
自然と見上げる形になる。
「ゆずきちゃん、いたの? それならノックくらいしてくれてもいいのに」
「しようとしたわよ」
あきれ顔でゆずきちゃんは答えた。
「だけど、その前に君が扉を開けてしまったの」
「もしかして、ダメだった?」
「ううん、ダメってことはないわよ。あのさ、このあと暇?」
「暇かしら。だから、これから定食屋に行こうとしていたの」
「定食屋? もしかして、この学園付近の?」
「そうだよ」
「あそこ、うどんやカツ丼がおいしいって評判の店でしょ? 勝恋ちゃんは何を食べるの?」
「カツ丼」
「意外。勝恋ちゃんはコーヒーや紅茶が好きそうなイメージがあるから」
クリチェートと同じことを言われてしまった。
私ってそんな風に見えるのだろうか。
自分では、
自分がどう見られているのかよくわからない。
「紅茶やコーヒーは苦手なのよ」
「意外。どうして?」
「コーヒーは独特の苦みがあるし、
紅茶は匂いがダメなの」
「じゃあ、カフェとか行けないでしょ?」
「それもカフェによるわ。コーヒーや紅茶が置いていないような……」
「あたし、そんなカフェ聞いたことないわ。……ねえ、それならあたしも一緒に定食屋に行こうかな。ダイエットには、うどんが良いと思う?」
「ダイエット?」
私は不思議そうに尋ねた。
「ゆずきちゃんは、
そんなに太っているようには見えないけれど」
私の言葉に、
彼女は少し戸惑った様子を見せた。
「そうじゃなくて、その……なんていうか、予防よ! ええと、ほら、あたしって太りやすい体質だし?」
その慌てぶりに「好きな人でもできたの?」と聞きそうになったが、
あまり良くない未来が見えたため、
追求するのはやめておくことにした。
「なんだか怪しいわね。それで、定食屋はどうするの? 私は迷わずカツ丼を食べるけれど」
「勝恋ちゃんは、そんなハイカロリーなものを食べても太らないの?」
カツ丼を食べたらどうなるか、
私にはわかっている。
定食屋でカツ丼を食べたくらいで太る未来も『イフ』も存在しなかった。
「カツ丼を食べたくらいで、どうってことないわ」
私は堂々と答えた。
何を食べるかも食べないかも私の自由なのだから、
なるべく好きなものを食べたい。
「ゆずきちゃんは、定食屋に私を誘いたかったの?」
「ううん、実は……猫カフェなんてどうかなって」
「猫カフェ?」
私は思わず目を輝かせた。
あぶきと同居していた頃には、
絶対にあり得なかった提案だ。
あぶきは猫アレルギーなのだから、
猫と触れ合うなんて言語道断だった。


