未来と過去とイフがわかるお嬢様の学園生活
 同居しているあぶきの母に呼ばれた。

「勉強してるところ悪いんだけど、
見てほしいことがあるの。
……ううん、
未来も過去もイフも見込めるなら、
あなたに勉強なんて必要ないわね」

「私は全知全能じゃないわ」

「どういうこと?」

「未来は最大で5年先までしか見えないし、
過去は私が生まれる少し前までしか分からない。
イフも『今のこの状態でこの選択をしたら』しか見えないの」

「生まれる少し前って、どのくらい?」

「私が臨月で、母のお腹の中にいた頃」

「あぶきが20歳までしか生きられないって余命宣告を受けているのは、
知ってるわよね?」

「うん」

「おばさんが10代前半であぶきを産んだのも知ってるわね?」

「14歳で産んだのよね」

「私がその年齢じゃなくて、
ほかの年齢であぶきを産んだイフを見てほしいの」

 私は能力を使い、
 おばさんが14歳以外の年齢であぶきを産んだイフを見た。

「……おばさんが婚期に焦っている姿が見えたわ。
それとね、14歳で産んだからあぶきが妊娠7ヶ月の未熟児で生まれて保育器に入ることになって、
喘息持ちになったと思ってる?」

「ええ……」

「どのイフを見ても——あぶきが生まれても、
生まれなかったとしても、
結局おばさんが苦しむ未来にしかならないよ」

「どういうことなの?」

「おばさんはイフや未来を知って原因を特定したいから、
私をここに置いているんでしょ?」

 辛辣だなと自分でも思う。
 だけど、ここでハッキリと言わなければいけない。

「あぶきが元気でいられるイフが分かったら、
あぶきは助かるのかしら?」

 おばさんはなぜか何も言わずに黙り込んでしまったけれど、
 私は構わずに言葉を続けた。
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