花に溺れ、香りに溶ける




「すごい! 私なんて、最近分かるようになったのに……華道もやっていたの?」

「華道は中学生の時に師範科三級を取得しました。佐山にも分家となりますが、華道もあるので嗜みとして教えていただきました」

「えっ? そうなの!? 美寿ちゃん、香道では敵なしの実力あって、華道も師範? 茶道もやってるんだよね? ちなみに茶道は何か持ってるの?」

「はい。高校入学する前に上級を取得しました。一通りは……佐山家では、香道、茶道、華道全て習得することが決まりなんです。香席では、この三つは必要なことです。例えば華道は、香席の床の間に飾る立て花を生けます。その日の組香のテーマに合わせた花を飾るのが鉄則です。この花のことを香の花と呼びます。香りを邪魔しない、かつ組香のテーマを完璧に表現したものを生けるんです。香席の締めくくりには、必ずお茶とお菓子を出します。一連の組香が終わったら記録の発表が終わったあとのリラックスタイムがあって、主催者は必ず客に薄茶と和菓子を振る舞うんです」


 佐山流は香道が有名だが、茶道も華道もある。だから保育園の年少からお稽古はしていた。それに、香席をするには空間・五感・時間をすべて一人で支配できる能力が必要だと習っている。


「えー……凄すぎる! そんなに大変だとは……じゃあ、お兄様はもっとすごい人なのでは?」

「兄は……いえ、國嘉は香道一筋です。あの人の補佐するのが私の仕事なので」

「え、補佐?」

「はい。私は、中許を持っていますが大きな席で香元はしません。なので、香元をする彼らを補佐をします。おもてなしをしなきゃいけないので」




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