愛しいひと――く ち な し身代わりの恋(番外編)
それからというもの――
「ノブ!」
一度、関係を持ってしまうと、女は独占欲に支配されてしまうのか。
「さっき、あの娘と何を話してたの?」
学部は違うのに、いろんな場面でアユミが俺に絡んで来るようになった。
「別に。飲み会の話をしてただけだよ」
「それ、コンパでしょ? ノブは女寄せに使われてるんだよ!」
「いや、俺も出逢い求めてないわけじゃないし」
「えっ、なにそれ?! 他に彼女欲しいの?!」
″私がいるのに″
そんな態度で当然のように彼女ヅラされると、いくら好きな顔でも窮屈に思えてきた。
あの人は――……
一体、どんな話し方をして、どんな性格なんだろう?
キスをするときの顔も、愛した時の感じ方も、アユミと同じだろうか?
知りたいけど、できない。
会ったときに軽く会釈するのが精一杯。
人は手に入らないと思うものほど欲しくなるのかもしれない。
俺は、理の姉さんの代わりにアユミを抱いていた。