冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい
第3章 身体だけの関係?2
総務部。
橙色の光が窓から差し込んできていた。
(恭司さんの言う通り、バックアップが取れていて本当に良かった。機械に弱いのをちゃんと克服しなきゃ)
金曜日の停電で消えてしまっていたと思っていたが、ちゃんとデータは残っていた。課長に提出したら、すっかり喜んでくれていたので、心底安堵した。
どうやら課長としては、月曜日までに終わらせれば良いぐらいに思っていたらしく、予想よりも早くに出来たようだ。
そのため、朝一番で褒められたので、調子が良かったのだが……。
「くしゅんっ!」
なんとなく美桜は嫌な予感を感じてクシャミをしてしまった。
ぶるり。
震える自分の体をそっと抱きしめて暖をとった。
(夕方から急に冷えたからかな? それとも風邪なのかな? そう言われれば、なんとなく最近調子がすごく良いわけではないかも?)
ちょっとだけ微熱な気もしなくもないが、社内で暖房が効いているので火照っているに違いない。もしくは、スーツのジャケットは脱いで、カーディガンを羽織っていたのが良くなかったのかもしれなかった。
ちょうどその時。
ガラリ。
総務部の扉が開いた。
「すまない、中途採用の梅田美桜さんはここにいるか?」
少しだけ高い男性の声が響く。
総務部の面々が一斉に扉へと視線を向けた。
誰が来たのかと思えば、今朝見かけた難波副社長が扉の前に立っていた。
美桜は体を擦るのをやめると、挙手をする。
「私が梅田美桜です」
すると、難波がニコニコと笑いながら、美桜のもとへと近づいてくる。
「中途採用の子だよね?」
「はい、そうです」
「社長の御影がさ、君を呼んでいるんだ」
――御影社長。
(恭司さんが……?)
なんだか胸がドキドキしてくる。
「私を、ですか?」
「良かったら、一緒についてきてほしい」
美桜は難波の後を追って、恭司のいる社長室へと向かっていた。
エレベーターの中では二人して静かだったのだが、
「梅田さん、この間も名前を教えろって、恭司――じゃなくて、御影社長に呼び出されたんだろう?」
「ええ、そうなんです。挨拶をしたいって言われまして」
「社長室であいつの顔見て、カッコイイって思った? それとも、冷たそうって思った?」
どうやら難波副社長はぐいぐい来るタイプの男性のようだ。
「ええっと……?」
「ああ、悪い。仕事に関係ない質問だから答えづらかったか」
勝手に納得してくれたようだ。