降水確率10%
プロローグ
「っ…じゃあ…ね。バイバイっっ!!」
背を向けてゆっくりと歩きだす。
まるで1歩1歩歩いていることを確認するように…
振り向いちゃいけない
振り向けない
振り向かない
そんな感情を振り切るように走り出す。
右も左も分からない
音も聞こえない
ふっと雨の気配と雨がふるまえの独特の匂いがした。
あぁ、もう直ぐ雨がふるんだ…
ぼんやりとそんなことを思った。