恋煩い

席替え

 次の日、二人に打ち明けた。

すると、ふたりは冷やかすこともなく、「おお!頑張れ!」と背中をおしてくれた。

その後も変わらず一日、一日、と毎日がすぎてゆ
き、少しずつ少しずつ、伊藤くんとの距離も縮ま
ってきたような気がした。

今までは私のことを最初「おい、お前」としか呼んでいなかった。

私はもう半分諦めの気持ちもあるのと、ただ単に慣れたっていうこともあるので普通に反応していたら彼からそう呼んでいたにもかかわらず、突然吹き出して

「てか、おいお前で普通に反応してるのウケる。」

と言ってきた。だから私は

「だって、そっちがずっと呼んできてるんじゃ
ん。

私だって本当はちゃんと小嶺っていう名前が
あるんだからね?

ちゃんと名前で読んで欲しいんだよ?」

と少し拗ねた声で言ってみた。

この伊藤くんの席の隣になってからこんな言い方をするという技術も身につけた。

ちょっと拗ねた声をして言ってみると、刺さる男子には刺さるんだとか。

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