誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

エピソード54:異国からの風と最後の特異点

大貴族たちの圧力が後宮を揺らす中、続いて諸外国から「人質」兼「和平の証」として三人の王女が到着した。

北方の寒冷地からやってきたのは、第7側室フリーダ・ノルディック(『氷晶宮』)。

軍事大国の王女であり、大理石の宮のように冷酷で理性的な佇まいを見せる。

砂漠の交易国からは、第8側室シャディア・アルサード(『琥珀宮』)。

甘い毒香とエキゾチックな衣装を纏い、男を惑わす妖艶な笑みを浮かべる。

そして東方の帝国からは、第9側室メイリン・ファン(『淡墨宮』)。

東洋の武術と薬学に精通した神秘的な少女だ。

そして最後に、誰も予想しなかった「最後の1人」がやってくる。

『銀河宮』へと案内されたのは、第10側室アリア・メルクリウス。

貴族の令嬢ではなく、下町の平民出身。アルフレッドが街の税制改革を視察した際、既存の財政計算の欠陥を瞬時に見抜き、完璧な代替案を提示したその規格外の頭脳に惚れ込んで直々にスカウトした「数学・戦術の天才少女」であった。

「……ここが後宮ですか。算盤と図面を持ち込んでも怒られないなら、文句はありません」



身分も、出身国も、才能も全く異なる十人の寵妃。
ここに、前代未聞の『十人十色の宮殿』が完璧に揃い踏みしたのだった。
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