誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

エピソード82:大太后の演説と血統の証明

「不浄の血……とおっしゃいましたか?」
大広間に響いたのは、気品に満ちた凛とした声。
姿を現したのは、前王朝の最高級ドレスを身に纏い、神聖なまでの威厳を漂わせた大太后エレナであった。
かつて「平民上がりの側室」と見下され、幾度となく殺されかけた女性。
しかし今、彼女の背筋は一切の曲がりもなく伸ばされ、その表情にはかつての惑いなど微塵もなかった。
「ハミルトン公爵。あなたが不浄と蔑む私の血……それこそが、この国の真の礎なのです」
エレナが手を掲げると、侍女が恭しく捧げ持った重厚な木箱を開いた。
中に鎮座するのは、古の光を放つ青い宝石――『失われた前王朝の玉璽』。
「な……なに……!? 前王朝の玉璽だと!?」
貴族たちが息をのむ。
「私の実家である旧エレナ家は、数百年前の戦乱で身分を隠し逃れた、初代クインテラ王の直系(本家)の末裔。現王家よりも古く、聖なる『真の王家の血』を引く家系です」
エレナはハミルトン公爵を氷のような目で見下ろした。
「私が今日まで耐え忍んできたのは、血統を笠に着て国を乱すことを望まなかったから。ですが、私の息子とこの国を傷つけるというのなら……私は我が血統の誇りをかけ、あなた方を断罪いたします!」
静まり返る大広間。
元平民どころか、誰よりも高貴な血脈であったという動かぬ事実に、貴族たちはただひれ伏すしかなかった。
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