きみが光るたび、淡くなる
「あ、あんた・・・なにを・・・」
男が去ったあと、黄色の男の子が呆然と言ってきたので、思わず首を傾げた。
「あんたら頭大丈夫?」
「は、はぁ⁉」
青の子をかばった赤の子が驚いたように目を見開くので、まさか分かっていないのかと呆れる。
「あのPはハズレだよ」
「・・・だとしても、音楽会社の人だから・・・可能性が、」
「ないね」
切り捨てると、黄色と紫の2人だけが、わかっていると言わんばかりにした唇を嚙んだ。
どうやらちゃんと現実主義者もいるようだ。
「歌も大して教えてもらえてないんでしょ。発声の仕方がまず間違ってた。最後の1フレーズ聴いただけで分かるくらいだから相当。ダンスもバラバラだったし、ステップの基礎も分かってない子いるんじゃない?」
「・・・あんた、わかるの?アイドルのこと」
「・・・いや、アイドルの、というか音楽を少しやってるだけ・・・」
幼いころから音楽を嗜んできた程度だ。
クラシック、J‐POP、K‐POPの、演奏や歌、ダンスを一通りやらされただけ。
特別な音楽知識とかはない。
適当に答えると、男の子たちが顔見合わせた。
そして、白の子が前に出てきて・・・
「え、なに」
「俺たちをプロデュースしてくれませんか」
「はぁ?」
頭を下げた。
それはもう、額とひざがぶつかるくらいに。
「いや、聞いてた?音楽も少ししかやってないんだって」
「でも、あのプロデューサーはあなたが言ってくれたことすら言ってくれなかったから!お願いします!」
いや、あのプロデューサー、出会って数秒の私に負けるとか何のために就任したの。
仕事してないじゃん。
「いや、まだ大学生だし・・・」
「卒業してからでいいです!俺たち、本当に売れたいんです!」
「お願いします!努力ならいくらでもします!ずっと、目指してるんです・・・」
次々と年下の男の子たちに頭を下げられ、最後に赤の子がじっとこちらを見つめてきた。
「お願いします。本気でやってるんです。俺らを・・・売れさせてください」
・・・この子がリーダーってことか。
まぁ、適任かな・・・ってなにを考えているんだ。
・・・いや、でも・・・私がこの子たちのプロデューサーを追い払っちゃったわけだし・・・。
「きっとすぐに事務所にも追い出されます!そしたらインディーズとしてまた頑張ります!」
青の子がキラキラとした瞳で見つめてきて、ついに・・・
「・・・わかったよ」
自分にしては珍しく、押されて引き受けてしまった。