星降る夜のスピカ
ある日、帰り道のことだった。
ぽつぽつと雨が降ってきたと思ったら、急に土砂降りになってしまい、屋根のある所に避難した。
そこには、少し年下っぽい女の子も雨宿りしていた。
横顔が綺麗で、どこか儚い雰囲気だった。
華美な格好でもなく、落ち着いた雰囲気。
僕は確かに、目を奪われていた。
「ねえ」
いつもの笑顔で話しかけた。
こちらに振り向いた彼女は、思っていたよりもずっと美しく、見惚れてしまいそうだった。
「なんですか?」
「星宮駿悟って言うんだ、知ってるかな…」
「…芸能人?」
「あまり芸能人興味無い?」
「テレビあまりじっと観ないから…すみません」
「大丈夫だよ」
話し方も腰が低くて、好印象。
「働かなくていい、家事もしなくていい。僕の家、来てほしい」
「へ…」
「僕の一目惚れ、叶えてほしい」
「一目惚れ…?」
「お願い」
しばらく待つと、彼女は頷いた。
雨も止んでいた。
「じゃあ、帰ろっか」


