契りの指輪
この夢を見た時の目覚めは、酷く疲れる。
まだ姿を見ていたくて
夢の続きを見ていたくて
目を覚ましてしまいたくない。
けれど一方では
忘れてしまいたくて
消してしまいたくて
目を覚ましてしまいたい。
そんな矛盾する気持ちの交差が、疲労を呼ぶ。
これから仕事だと言うのに、この体の重さは鬱陶しい。
けれど時間は止まらない。
少し憂鬱な気分になりながらも重い体を運び、身仕度を始めた。
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