とらいあんぐる
着替え終わると、洗面所に行って顔を洗い、ボサボサの髪をゴムでポニーテールに(くく)る。


昔から私はこの髪型だ。


剣道をやっているため、面をつけるのにもっと短い髪の方がいいけれど、幼い頃に母が「ちえはポニーテールが似合うわ」と言われてから、ずっとポニーテールを続けている。


これからも変えるつもりはない。


その母に挨拶をしようと居間に戻る。


そして、居間にある仏壇の前に正座し、りんを鳴らして手を合わせ目を(つむ)る。


…母は私が小学二年生の時に亡くなった。


癌だった。


母は病気と闘いながらも最後の最後まで私や兄達のことばかり考えてくれていたのを今でも覚えている。


母は私達兄弟だけではなく大とコウにもとても優しかった。


私の自慢のお母さんだ。


母の遺影を見てそう誇る。


仏壇に挨拶を終えると爺ちゃんに行ってきますと告げて、私は玄関付近に立てかけてある大切な竹刀を持ち、玄関のドアを開けて飛び出すように外へと出た。
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