意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい
私たちがぎゃあぎゃあと騒いでいる時だった。


「占いしませんか?」


突然、怪しげな女性に声をかけられた。

怪しげな女性の隣りで居酒屋スタッフがニコニコしていた。

どうやら店のイベントらしい。


「今日だけの特別イベントでして、100円で1つの質問に答えます」

「100円!? やるやる!」


麗依が乗り気なので私も一緒に見てもらうことになった。

占い師に席を譲り、私は麗依の隣に座った。


「ではまずどちらの方から見ましょうか?」

「はい! 私から!」


麗依がピンッと手を挙げた。


「私は何歳で結婚しますか? 相手は誰ですか」

「ちょっと! 質問は1つって言われたでしょ」


麗依を小突く。


「200円、払えばいいじゃない」

「あ、そっか」


すると占い師はタロットカードを手慣れた様子でシャッフルし麗依に何度か選ばせたあと3枚のカードをめくった。


「今、お付き合いしている人を大切になさい。そうしないと婚期を逃します」

「ええ!?」


麗依は明らかに不服そうだった。

思わず笑ってしまう。


「それって今の彼氏と結婚しろってこと?」

「そうよ、彼以上にあなたを大切にしてくれる人はいません」

「やっぱりね!」


私は顎を突き出して麗依を見た。

その顎を麗依にはたかれる。


「はい、次は紗枝の番よ」

「どうしよう、何も考えてなかった」


席を変わりながら私は頭を抱えた。

質問がまったく浮かばなかった。


「あの声優のこと聞きなよ」

「ええ!? 現実的じゃないじゃん!」

「しゃべったんだから現実でしょ?」

「そうだけど」


すると占い師が前のめりで私の顔をまじまじと見始めた。


「え?」

「あなた……狂わされるよ」
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