無口な君は、誰よりも綺麗だった。

・君の音に、言葉を乗せて

奏side

「……。」

机の上には、何枚もの歌詞を書いた紙。

だけど。

どれもしっくりこない。

「……違う。」

ペンを置く。

「これじゃない。」

詩が作った曲。

初めて聴いた時。

胸の奥を掴まれた。

優しくて。

温かくて。

でもどこか寂しさもあって。

まるで。

詩自身みたいな曲だった。

(この音に……どんな言葉を乗せればいいんだ。)

ただ綺麗な言葉を並べるだけじゃ違う。

この曲は。

そんな簡単なものじゃない。

「……。」

ふと。

屋上で初めて聴いた歌声を思い出す。

誰もいない場所で。

一人でギターを弾いていた詩。

あの時の歌声。

寂しそうなのに。

誰かに届いてほしいって願っているような音だった。


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