幻の眷属
私は小春さんに想いを伝えてしまった…。
元々、私だって鬼だ。
鬼の中でも冷静な方だと思うが、幻の眷属の前だと習得した理性など効かない。
「酒呑童子様…。もうお気づきかと思いますが、私の幻の眷属は小春さんです。」
主人はジッと私を睨んだ。
次に言う言葉で殺されるかもしれない。
「嫌だとは思いますが、私も小春様と婚礼の儀をさせていただきたい。」
しばらく黙っていた主人が大きなため息をついた。
「遂に言って来たか…。だいぶ前から気づいてた。お前、わかりやすかったし…。わざと匂わせてたんだろう。」
「よくおわかりで。」
私がニコッと笑うと、主人はまた、ため息をついた。
「本当は嫌だ…。小春は俺が独占したい。でも…。お前の立場なら辛いだろう事は想像できる。俺なら…。主人を殺していたかもな…。お前だから共有の道を選んだんだろう?」
「まぁ、主人には勝てませんし、私は貴方に惚れているので、殺すなんて出来ません。」
「気持ち悪いから止めろ。」
主人は手で顔を覆う。
顔を上げた主人は私を真っ直ぐ見た。
「わかった。許す。ただ、小春の事を大事にしろ。少しでも雑に扱ってみろ。お前を殺す。」
あぁ…。これは本気だ。
「もちろんです。逆もですよ。」
「俺は小春にはそんな事はした事ない。この酒で盃を交わせ。確かめの花が入った酒だ。俺は行けないが…。」
「ありがとうございます。当たり前です。来なくて良いです。それに、貴方はお勤め中です。」
「くそっ。村の長がこんなにめんどくさいとは思わなかった。」
私は酒を受け取り小春さんの元に行った。
「小春さん。 少しよろしいでしょうか?」
「はい。何ですか?」
「唐突で申し訳ありませんが、貴方は主人の幻の眷属です。そして私の幻の眷属でもあります。」
「葵さんの?私が?」
「はい。鬼には1人の幻の眷属なのですが、女は何人もの鬼の幻の眷属になれます。そして…。私は貴方に気持ちを伝えました。どうか…。私も貴方と婚礼の儀をさせていただけませんか?」
小春さんは困惑している。
「でも…。」
「貴方が酒呑童子様を愛していらっしゃるのはわかっております。でも…。私も…。貴方と眷属になりたいのです。酒呑童子様の了解は得ました。」
「でも…。私は葵さんの事、そんな風にみた事ありません。」
「そうですね。だったらこれで試してみましょうか?」
私が盃に酒を入れて小春さんに差し出した。
「これは?」
「確かめの花が入っている酒です。お互いが運命の相手なら媚薬に変わります。」
「だって、私には、酒呑さんがいます。」
「はい。もし、これが媚薬にならないのなら諦めます…。でも…もし、媚薬になったのなら…。」
「私は酒呑さんが好きなんです。」
「わかっていますよ。それは重々に。でも…私は、貴方と繋がりが欲しいんです…。お願いします…。確かめの酒の盃を交わして下さい。」
「それがダメなら諦めるんですね…。わかりました。」
そして三度ずつお互い酒を酌み交わした。
その間、私と小春さんは色々な話をした。
主人の話や私の嫁の話。
「お嫁さんがいるなら、私とこんな事しちゃダメです。」
「もう嫁はいませんよ。他の男の所に行きました。主人と会った頃には、もうお前はいらないと言われましたしね。」
「お嫁さんの事好きだったんですか?」
「んー。あんまり…。主人とよく似てるかもですね…。でも…大事にはしようと思ったんですよ?これでも…。」
「葵さん、優しいですもんね。」
「ははっ。そんな事ないですよ。」
三度ずつ盃を交わして、酒瓶を空にした。
さぁ、どうなんだろうか…。
これで、運命の相手ならこの酒は媚薬に変わる。
俺の身体は既に熱く熱っている。
やはり、小春さんが、俺の幻の眷属だった。
小春さんを見るとフラフラと身体が揺れて、トロンとした顔をしている。
「どうされましたか?この酒に酔ってしまわれましたか?」
「う…。そうですね…。ちょっと酔ってしまったかも…。」
少し息が荒い。
小春さんの頭の後ろに手を回して顔を近づけ口付けをした。
柔らかい…。
私は夢中で唇を合わせた。
着物に手をかける。
いつも主人が脱がしているところを部屋の端で見ていただけだったが、今日は違う。
自分が小春さんの着物に手をかけている。
私は唇を重ねながら、小春さんの帯を解いていく。
小春さんは、私から離れようとするが、少し離れると私が追いかけて唇を重ねた。
自分も着物を脱ぎ捨てお互いの肌を擦り合わせる。
「気持ちいい…っ。小春さん…っ。」
主人が小春さんの身体中を舐め回す意味がわかった。
どこを舐めても美味しい。
食べてしまいそうになる。
私は小春さんの身体にむしゃぶり付いた。
小春さんは主人との度重なる情事で身体の至るところが敏感になっていた。
「葵さんっ!無理っ!イクッ!」
何度も絶頂を迎えた小春さんを私は執拗に刺激した。
気を失いかけては、戻してを繰り返す小春さんに口付けをする。
前の嫁とする時、下手くそだと言われた。
ゆっくりと小春さんの中に挿れると意識が飛びそうなくらい気持ちいい。
私は無我夢中で腰を振った。
今までで1番気持ちいい。
自分の腕の中に小春さんがいる。
頭が真っ白だ。
ふと気がつくと私は、鬼の姿になっていた。
「あっ。すみません…っ。人間の姿…っを保たれませんでした…っ。」
「あ、葵さんは…っ。手が4本なんですか…っ?」
「そうです…っ。気持ち悪い?怖い?」
そう聞くと、小春さんは、フルフルと首を横に振って腕を私の首に回した。
「葵さんの手、優しいから気持ち悪いなんて思わないですし、怖くない…。」
そう言うと、小春さんは私の手を握った。
私は思わず小春さんを抱きしめた。
そして腰の動きをさらに速めた。
小春さんの中がギューっと私のモノを締め付けられると私は我慢の限界に達した。
小春さんの中に自分の精を注ぎ込んだ。
それからは、小春さんを鬼の姿や人間の姿で愛し合った。
ずっと気持ち良くて、フワフワと酒に酔っているのかと思うほどだった。
酒の効力も切れて貪るように求め合う事は無くなったが、私は小春さんを離さなかった。
「小春さん…。私達はお互い幻の眷属です。だから…。これからもこのように私とも愛し合って欲しい…。」
「でも…っ。」
まだ、主人の事を気にする小春さんに口付けをして、そのまままた小春さんの身体を貪り、小春さんを気絶させてしまった。
主人がいない時は、恥ずかしがる小春さんを自分の膝の上に乗せている。
私が鬼になった時に、繋がりながら、4本の手で、両方の乳首を捏ねて、下の突起を弄りながら腰をガッチリ掴んで激しく揺さぶるのが小春さんはお気に入りらしく、甘い声を上げてすぐにイッてしまう。
しかし、なかなか自分との子供は出来なかった。
小春さんの腹の中で、主人の子種に負けるのだろう。
そんな時だった。
小春さんが5人目を孕んだ。
そして子が生まれた時、その子供は青い身体をしていた。
「…っ。青い…っ。小春さん…っ。嬉しい…です。ありがとう…っ。」
「葵さんに似てます。鼻筋とか。」
私は小春さんと生まれたばかりの赤子を抱きしめた。
