泣きじゃくる君にキスを

「今日は何したい?」

「特に何も」


そう言って顔を伏せた。


「そっか、何もしたくない時もあるよね」

「やりたい、しか考えてないくせに」


冷たい声でそう言った。


「だから…そんなことないって」

「よく3ヶ月も耐えてるね。他に何人女の子いるの」

「いないって、そんな子1人も」

「さっさとやって、捨てればいいのに!」


着ているトレーナーを脱ごうとしてきた。

俺は慌てて止めた。


「待て待て待て、そんな投げやりでするもんじゃないから」

「今まで、お酒の勢いとかで、好きでもない女の子と、ただ快感のためにやってきたくせに!」


それに関しては何も言えなかった。

過去はそうだった。


「今の俺はそうなの?違うじゃん。毎週毎週会ってて、俺そんな素振り見せてる?」

「平日の様子なんか知らない。友達と飲んでそのまま」

「知らないのは、菜央が知ろうとしないからでしょ。平日のLINE全部無視して。言っておくけど俺、菜央と付き合ってから、女の子のいる飲み会には参加してないからね?今まで会った女の子と会ってもいない」

「だから何、それがえらいの?」

「安心して、ってことだよ。えらいでしょ、なんて思ってない」


そんなこと言っても響かないんだろうな。

彼氏なのに、俺のこと嫌いだから。

…でもなんでだろう。

3ヶ月続いてる。

俺のこと嫌悪してるんでしょ?

俺が遊び人だったって知った時、別れるって連呼していた。

だけど結局別れず今に至る。

嫌いなら、俺なんかに時間費やさないで、別れればいいのに。


「菜央は…俺のこと嫌い?」


その質問に、菜央が答えることはなかった。


「触れてもいい…?」

「やだ」

「そっか…」


静かな空気が流れた。

菜央の思惑は分からない。


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