恋を知らないきみへ
13 彼には、彼にだけは、
金曜日の朝は、いつもより少しだけ身体が重かった。
寝不足というほどではない。
それなのに、電車に揺られていると、昨夜のことが何度も頭をよぎる。
恵比寿で降りていく木ノ下くん。
「じゃあね」
そう言って笑った顔。
……酔うとあんなふうにすんなり笑うんだな。
思い出したところで、自分に苦笑する。
なに考えてるんだろ、私。
小さく息をついて、スマホをバッグにしまった。
会社へ着く頃には、いつもの営業モードに切り替わっていた。
メールを開けば、取引先からの問い合わせが何件も届いている。
急ぎの見積もり依頼。
来週の商談資料の修正。
今日のスケジュールを組んでいく。
朝礼が終わると同時に、営業部は一気に慌ただしくなった。
「小関さん。この資料作成、すぐお願いできる?」
「はい、すぐやります」
コピー機とデスクを何度も往復しながら、電話対応をこなす。
並行して見積書も作成していく。
飛び込みで頼まれる仕事もやりつつ、スケジュールを確認して、自分のタスクをひとつずつ潰していった。
寝不足というほどではない。
それなのに、電車に揺られていると、昨夜のことが何度も頭をよぎる。
恵比寿で降りていく木ノ下くん。
「じゃあね」
そう言って笑った顔。
……酔うとあんなふうにすんなり笑うんだな。
思い出したところで、自分に苦笑する。
なに考えてるんだろ、私。
小さく息をついて、スマホをバッグにしまった。
会社へ着く頃には、いつもの営業モードに切り替わっていた。
メールを開けば、取引先からの問い合わせが何件も届いている。
急ぎの見積もり依頼。
来週の商談資料の修正。
今日のスケジュールを組んでいく。
朝礼が終わると同時に、営業部は一気に慌ただしくなった。
「小関さん。この資料作成、すぐお願いできる?」
「はい、すぐやります」
コピー機とデスクを何度も往復しながら、電話対応をこなす。
並行して見積書も作成していく。
飛び込みで頼まれる仕事もやりつつ、スケジュールを確認して、自分のタスクをひとつずつ潰していった。