恋を知らないきみへ
おまけ② 絶対に負けられない戦い
「木ノ下くん、知ってた?私の名前、小関ほのかなんだよ」
とある日の帰り道、私がそう切り出すと彼はさも当然のようにうなずいた。
「え?知ってるけど」
「私たち、いつまで名字で呼び合うの?」
「あー……」
指摘されて初めて気がついたみたいな声を出しているけれど、絶対どうやって話を逸らそうか考えている。
それくらい、段々と私にも分かるようになってきた。
「私、そろそろ“丞くん”って呼びたいな」
要望は随時伝えているつもりだったけれど、これはけっこう満を持して。
付き合ってもうしばらく経つ。
手も繋ぐようになったし、ハグもする。
それなのに、名前だけはずっと変わらない。
“木ノ下くん”と呼ぶたびに、この距離だけが取り残されている気がしていた。
だけど、隣を歩く彼の表情は浮かない。
すぐに分かる、乗り気じゃない。
「いい雰囲気の時とか、名前で呼ばれた方がお互いドキドキするよ、きっと」
「いや、それとこれとは」
「お願い!一生のお願い!」
「ははっ、ここで一生のお願い使っていいの?」
「逆になんでそんなに渋るの?」
とある日の帰り道、私がそう切り出すと彼はさも当然のようにうなずいた。
「え?知ってるけど」
「私たち、いつまで名字で呼び合うの?」
「あー……」
指摘されて初めて気がついたみたいな声を出しているけれど、絶対どうやって話を逸らそうか考えている。
それくらい、段々と私にも分かるようになってきた。
「私、そろそろ“丞くん”って呼びたいな」
要望は随時伝えているつもりだったけれど、これはけっこう満を持して。
付き合ってもうしばらく経つ。
手も繋ぐようになったし、ハグもする。
それなのに、名前だけはずっと変わらない。
“木ノ下くん”と呼ぶたびに、この距離だけが取り残されている気がしていた。
だけど、隣を歩く彼の表情は浮かない。
すぐに分かる、乗り気じゃない。
「いい雰囲気の時とか、名前で呼ばれた方がお互いドキドキするよ、きっと」
「いや、それとこれとは」
「お願い!一生のお願い!」
「ははっ、ここで一生のお願い使っていいの?」
「逆になんでそんなに渋るの?」