偽りの姫の手に堕ちた元姫は、最強男子達に寵愛される。
…失敗したな…。

俺は今、後悔の念に狩られていた。

なんで女なんかにハンカチとか貸したんだよ…。

「ちょっと陽くん、大丈夫…?」

「珍しく頭を抱えてるな。」

「うっせー。」

…はぁ…。

俺は息抜きがてら、昼休みに中庭を訪れた。

すると、頭の中にいたそいつが中庭をウロウロしていた。

いつもの癖で気配を消したままそいつに近づく

すると、「お久しぶりです」と平然と笑ったそいつ。

…まさか、今の俺の気配に気が付いたのか…?

驚いた…。

平然を装いながら、そいつに聞き返す

するとそいつは

「えっと…私、そういうのに目敏い?みたいで…!」

あまり触れないで欲しいかのように言うそいつが少し不思議だった。

俺の気配に気が付いた事なら、下っ端の奴らはすげー喜ぶだろうに…

…まぁ、今まで気がついたヤツなんて居ないけど。

…ていうか、なんで来たんだ。こいつ。

「あ、あのっ…!
昨日はハンカチ、ありがとうございましたっ…!」

…は?

「わざわざ洗ったのか?」

「えっ?
はいっ…!汚してしまったのでっ…!」

大きな眼鏡越しに見えるその瞳は、純粋無垢な瞳だった。

その瞳を見た時から俺は、少しだけこいつに信頼を置いたのかもしれない。

下心も何も無い。

ただ純粋に、俺に向き合ってくれたこいつに。

その後、なぜかそいつに弁当を作ってもらうことになった。

金を渡そうとしたら、要らない。と返されてしまった。

そんな所も何故か不思議と好感が持てた。
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