偽りの姫の手に堕ちた元姫は、最強男子達に寵愛される。
──翌日の放課後

私は1人、" ある人物 "に呼び出された通りに裏庭へ来ていた。

「もう来てたのね。」

そう言いながら物陰から現れたのは、黒髪を靡かせる1人の美少女。

「お久しぶりです、雫さん。」

そう。

彼女こそが、私を呼び出した張本人であり

──本物の、姫。

「そうね。
もう入院生活は大変だったわ。
─誰かさんの父親のせいで。」

ニヤッと不敵に笑う雫さん。

「っ!」

「その、度は…
本当に申し訳ありませんでした。」

…日比谷 雫さん。

雫さんは、入学前に大きな交通事故に巻き込まれ、入学が遅れてしまった。

それが先日、やっと退院できて学園に入学することができたそうだ。

そしてその事故を起こした人物こそが、

─私のお父さん。

お父さんは車の運転中に脳梗塞を起こして、たまたまその場所に居合わせた雫さんを事故に巻き込んでしまった。

雫さんは頭を強く打って意識不明になり、

お父さんは、

命を落とした。


「まぁいいわ。
それで?
姫の座は確立できたの?」

「できた…かは、分かりません。
でも、
みんな…あ、Silvaの皆さんとは、関係は良好です。」

「そう。
なら大丈夫そうね」

「…はい。」

私が、Silvaと知り合いだったのは本当に偶然。

それを雫さんに話したら、

『姫の座を確立してきなさい。
それが出来たら、被害届と賠償金は請求しないであげる。』

…それが、私と雫さんの間に生まれた" 契約 "。

私は、あの人たちを

─利用してた。

自分の意思で、最悪な形で。

「じゃあ今日からあんたは一般の生徒。
─Silvaにも近付かないでよ?」

「…はい。」

「じゃあ帰って。
あんたを見てると虫唾が走るの」

「…はい。」

私はそう言って、裏庭を後にした。
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