『胡蝶の夢』に囚われて ― 夢か現か幻か ―
21 ◇DMの遣り取り


 私は彼女(蓉子)にすぐに折り返しのDMを送る。

『蓉子さんの使っているタロットカードってとっても有名ですね。
 私も知ってます。10年以上前から立ち上げているcocaloni占い館というwebsiteで
取り扱っているのをご存じでしょうか? 

 タロットカードなくてもパソコンから占えるようになっていますね~。

──とはいえ、何度もいろいろと占うにはカードが断然いいように私は思っています。

 ところで、私が使っているタロットカードは少し特殊なんですよ。

幼少期から目に見えない存在のことを感じながら育った女性(ひと)で──

出版社に就職して編集の仕事に携わるようになったんだけど、その時に占いの書籍の
編集に携わったことで興味が沸いて、占い師になったという変わり種の人なんだけども……。

 いろいろなタロットカードを使っているうちに自分でオリジナルのタロットカードを
作ってしまったの。


それで──このカードはどこででも手に入るっていう代物じゃなくて、口コミで
広がっていて伝手がないと買えないの。

 たぶん、誰かプロの占い師さんと繋がらないと手に入らないんじゃないかしら。

 私は、たまたま友人に四柱推命やっている人がいて、そこからの伝手で
購入できたの。

 私は素人だけれど、占い方が結構簡単で、それなのによく当たるの。

 生年月日と氏名が分かれば、誰のでも大きくなら占えるわ。

 例えば、この年は動かない方がいいとか、この年は積極的に進むといいとか、って。
 私は霊感もないので、あまり細かいところまでは占えないけどもね』

          ◇ ◇ ◇ ◇


 このオリジナルタロットカードの話は、大嘘。
 彼女を占うための、作り話だぴょ~ん。あははっ。

 こんな話に引っ掛かるだろうか。
 引っ掛かるようだったら、後は楽勝よね。

 うちの夫から手を引くように誘導するわ。

 占いに必要な情報
『生年月日と氏名がわかれば、誰のでも大きくなら占えるわ』

って、わざと書いておいたから、きっと彼女は『占ってほしい』って言ってくるはず。

 さあ『待ってるよ~、えいっ』と、

 私はDMを送信した。

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