記憶の欠片
遠い君の隣
それから、しばらくの時間が流れた。
季節は、春と夏の境目。
空はどこまでも高く、雲ひとつない快晴の日が続いていた。
昼休憩。
教室には、弁当の包みを開く音や、笑い声が広がっている。
窓から入る風は、もう春より少しだけ暖かい。
私は何気なく、机の上に置いた筆箱を手に取った。
——あれ?
指先が、いつもの感触に触れない。
筆箱のファスナーの横。
いつも揺れているはずの、あの小さな重み。
「……ない」
心臓が、どくんと鳴った。
ガラスの小瓶に入った、星の形をした三つの宝石。
無くしてはいけない、大切なキーホルダー。
私は慌てて筆箱を持ち上げ、机の周りを見回す。
椅子の下。
鞄の中。
——どこにも、ない。
胸の奥が、ざわつく。
教室の中で響く音の全てが、急に遠くなる。
落とした……?
私は立ち上がり、前の時間に使った場所を思い出す。
——図書室だ。
昼の校舎は、少しぬるい空気に包まれていた。
季節は、春と夏の境目。
空はどこまでも高く、雲ひとつない快晴の日が続いていた。
昼休憩。
教室には、弁当の包みを開く音や、笑い声が広がっている。
窓から入る風は、もう春より少しだけ暖かい。
私は何気なく、机の上に置いた筆箱を手に取った。
——あれ?
指先が、いつもの感触に触れない。
筆箱のファスナーの横。
いつも揺れているはずの、あの小さな重み。
「……ない」
心臓が、どくんと鳴った。
ガラスの小瓶に入った、星の形をした三つの宝石。
無くしてはいけない、大切なキーホルダー。
私は慌てて筆箱を持ち上げ、机の周りを見回す。
椅子の下。
鞄の中。
——どこにも、ない。
胸の奥が、ざわつく。
教室の中で響く音の全てが、急に遠くなる。
落とした……?
私は立ち上がり、前の時間に使った場所を思い出す。
——図書室だ。
昼の校舎は、少しぬるい空気に包まれていた。