辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 生地だけのシンプルなケーキだが、その分蜂蜜のうまみを堪能できる。

「どれ、私にも一切れ切ってもらえるか?」
「もちろんですとも」

 必要ないと皆わかっているけれど、一応毒見をしてからリュディアの口へ。トーリの分も毒見が終わってから渡された。

「……これは。素朴な味だがそこがいい」
「んんー、美味しい! 最高に美味しい!」

 素材は新鮮で高品質。焼いたのは村長の妻で菓子職人ではないが、家庭料理ならなんでもござれの名人だ。
 素材と彼女の腕が合わさって、最高の仕上がりになっている。

「メディックビーの蜜は疲労回復の効果があるのだったか?」
「傷の回復を早める効果もあると聞いております」

 メディックビーの蜂蜜は、中庭の薬草からも作られている。開拓村の蜂蜜は、野の花からだ。皇宮にいるメディックビー達が作る蜂蜜とは風味が違って面白い。

「陛下、こちらに領主様が作った堀があるんですよ!」
「僕じゃなくて、作ったのはキヴィだけどね!」

< 193 / 266 >

この作品をシェア

pagetop