辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
(本当、今さらなのにね)

 自分の部屋で、ベッドに丸くなって考え込む。リュディアがトーリのために用意してくれたのは、贅を尽くした部屋。だが、この部屋がそれだけではないのをトーリは知っていた。
 身近に子供のいないリュディアが、一生懸命考えてトーリのために用意してくれた部屋。女帝の仮面の下には、人を大切にする心がちゃんとある。

(そうなんだよね、下手をしたら僕の存在が帝国に迷惑をかけることになる……)

 今さらと言えば今さらなのだが、ようやくトーリはそこに気が付いた。いや、もう迷惑はかけてしまっている。
 トーリを守るために、リュディアがどれだけの労力を払っているのかを知ってしまっているから。
 皇宮に戻ってきてからは、きちんと家庭教師の授業を受け、ラウガルトと体力づくりをし、自由時間も過ごしているけれど、なんだか外に出る気にもなれない。

(……本当、もうちょっといろいろと考えるべきだったな)

 王国側が強引にトーリを取り戻そうとすれば、またもや拉致されかねない。どうにかして、生家と縁を切ることはできないだろうか。とっくの昔に縁を切ったつもりだったけれど。
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