辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
 野牛というのは、逃げ出した牛が魔物化したものだそうだ。魔力の強い地域で長い間暮らしていると、体内に魔石ができる。体内に魔石ができた動物は魔物として分類されるそうだ。

「ふわ、知らないことだらけだよ」

『任せろ。友の群れを守ることぐらいたやすいことだ』

 狩りに出たガイスト達は、あっという間に村人の分の肉を狩って来てくれた。村民全員の腹を、十日は満たせるぐらい大量に。

「塩があれば、保存食を作れるんだけどねぇ……」
「氷の魔術が使える者がおります。当面、氷漬けにしておきましょう」

 村長も、久しぶりの野牛肉に目が輝いている。魔力を豊富に含んでいるので、疲労回復にもいいらしい。

「お礼はどうしたらいい?」

『安心して子供を育てられる屋根と壁のある場所だな』

 さっそくその要望を村長に告げる。使役しているのではなくて、誓約しているのだ。ギブアンドテイク。こちらが、一方的にいただくわけにはいかない。

「この村を去った者の家を使ってもらいましょう。若い者に、改築させます」

 と、村長もニコニコである。
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