辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
「これはメディックビーの回復薬……ですな! これさえあれば、冒険者達の生存率を上げられますよ」
「魔力回復薬もあるよ?」
「魔術研究所に売り込みましょう」

 トーリの背後に、シャドウウルフ――ガイストが控えているのを見て、行商人はトーリを子供と侮ることはしなかった。多少舌足らずながらも、大人顔負けの口調で話すトーリを天才児と認めたのかもしれない。実際には天才なのではなくて、前世の知識の持ち込みだけど。

「これ、売り物になるかなあ?」
「なりますとも、なりますとも! メディックビーの蜂蜜……なんてありませんか?」
「うーん、ちょっとなら売ってもいい」

 レーケの群れは、どんどん数を増やしている。
 というか、分蜂して別の巣になったはずの女王達もレーケの下につくことを選んだという。魔物の生態がどうなっているのか、やはりトーリにはわからない。
 どうも、人間と誓約を結んだ女王の下につくことで、他の群れの蜂達にも何やら恩恵があるらしい。
 そんなわけで、あちこちからメディックビーの作った蜜やら薬やらが運ばれてくるのだ。

「これはね、新作。キャンディにしてもらったの」

< 52 / 159 >

この作品をシェア

pagetop