フェイク・シークレット 〜自分を守るために〜
そんなのが聞けるんじゃないかと思って耳を澄ます。
「えっと」
「あ、辛いなら話さなくってもいいよでも──」
そう言って紗奈さんは涼の肩を掴んで、目を垂らして言った。
「私に相談してくれると嬉しいな」
「考えとくね」
涼に触れた、涼と喋った、涼の目を見た──。
些細なことなのに、私は今その当たり前の事が出来てない。
それに……紗奈さんと涼はまるで友達の関係じゃない接し方をしてた。
まるで恋人みたいな。
嫌。
だから、私は涼のこと、友達として好きで、私はその関係以上の紗奈さんに嫉妬してるんだ、きっと。
この時から、少しだけわかってた。
私は涼のことが、一人の男の子として好きなんだって。
でもその感情に気づかないふりをしていた。
恋愛なんてしたことなかったから、わからなかったのもあるかもしれない。