その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
「……高橋君。正気ですか? 我々は不良ですよ。一般生徒のあなたが首を突っ込んでいい世界ではありません」

一ノ瀬の冷たい言葉に、高橋は肩をビクッと震わせる。
すると、颯太がソファーからガバッと起き上がり、高橋の肩にガシッと腕を回してきた。

いつものチャラいタメ口だ。

「おいおい一ノ瀬、そんな冷たくすんなって。……でもさ高橋くん、気持ちは嬉しいけど諦めなよ。昨日見たでしょ? 敵の二代目・神代って奴、マジでヤバいオーラ放ってたじゃん。君みたいな素人が入ったら、一瞬で消されちゃうよ?」

「それでも、です……っ!」

高橋は涙目になりながらも、まっすぐに澪を見つめ続けた。

「昨日、颯太先輩が俺のために戦ってくれた時、自分の弱さが本当に悔しかったんです。戦えなくてもいい、パシリでも、情報集めでも何でもやります! だから……!」

その必死な訴えをじっと聞いていた澪は、静かに椅子から立ち上がった

ブレザーを着ていない、昼間の美しいお嬢様の姿。

彼女は流れるような優雅な動作で急須を持ち、お気に入りの湯呑みにお茶を注いだ。

トトト、と心地よい音が響き、湯気がふわりと立ち上る。
澪は温かい湯呑みを両手で持ち、ゆっくりと高橋の前まで歩いてくると、それを優しく手渡した。

「お茶が入りましたよ。さあ、怯えていないで温かいうちにどうぞ」

「え……あ、ありがとうございます……」

受け取った湯呑みの温かさに、高橋の体の震えが少しだけ収まる。

しかし、次の瞬間。高橋の目を覗き込んできた澪の瞳が、ふっと夜の総長「レイ」の冷徹な輝きを帯びた。

お淑やかな笑顔の中に、ゾクッとするほどの絶対的なカリスマ性が宿る。
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