その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂
その時、ドアがゆっくりと開き、お淑やかな微笑みを湛えた九条澪と、ネクタイを緩めた三浦颯太が入ってきた

「あら、皆さんお揃いで。ずいぶんと賑やかですね」

澪が髪をサラリと直す

「レイさん! 颯太さん!」

蓮と陸が瞬時にシャキッと直立不動になり、高橋を解放した

「もー、蓮も陸も、一ノ瀬の邪魔しちゃダメだって〜。高橋くん、一ノ瀬の特訓マジでスパルタだからな〜。俺も昔、黒曜の規約全部暗記させられて泣きそうになったもん」

颯太が頭の後ろで手を組みながら、いつもの軽いタメ口で澪の隣に並ぶ。

「おい颯太、レイさんの前で昔の情けない話をすんな。……あと、特訓の邪魔をするなら、お前たちにも補習を受けさせますが?」

澪がふふ、と微笑む。その瞬間、蓮と陸の背中に冷や汗が流れた。

「い、いや! 俺は特攻隊のバイクの整備があるんで!」

「俺も、裏サイトの見回りに行くっす!」

焦る2人を見て、一ノ瀬がため息をついた

「お前たちはいつも口だけですね。蓮、昨日教えた隣町の動き、本当に把握しているのですか?」

「あァ!? 当たり前だろ! 狂犬の奴ら、まだ大人しくしてやがる!」

一ノ瀬は手元のノートを開き、冷徹に告げた

「不正解です。神代はすでに動き、隣町の地下格闘技場を買い叩いて臨時のアジトにしています。陸、あなたが昨日『セキュリティが固くてハッキングできない』と言っていたサイト、私が5分でサーバーを落としてデータを抜いておきましたよ」

「えっ……マジっすか!?」

陸が目を見開く。一ノ瀬の圧倒的な「頭脳」と情報収集能力の壁に、2人はぐうの音も出ない。
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