はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜
梨乃と春人が去ったこともあり、清香も落ち着いたようだった。清香は先程の哲平の言葉を聞いて、自分の想いを話そうと決めていたのだ。

「八奈見くんが中学の時に、私を庇って声をかけてくれたでしょ?その時くらいしか、八奈見くんの方から女の子に声をかける姿を見たことがなかったんだよね。だから、私は特別な存在なんだって確信してた。それなのに。瀬戸さんには、いつも楽しそうに声かけて。私の八奈見くんを盗られるみたいで怖かった。すごく、怖かったの」

「それは……」

何かを言いかけた哲平を、清香は首を振って遮った。そして穏やかに続ける。

「瀬戸さんには、最初、牽制するつもりで近づいたんだ。でも瀬戸さんは、素直で正直で人を疑うことを知らない呆れた人でさ。ずっと一人だった私とも、仲良くしてくれて。だからちょっと罪悪感で苦しかった」

見たことのない、はにかんだ清香の顔を見て、千雪の心の奥にあった黒いもやが少し晴れた。清香が罪悪感を持っていたことに救われた気がした。
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