結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました
1.婚活カウンセラーは非恋愛体質
「もう! おかしくない?」

 東京、青山にある結婚相談所『マリアージュ・アクシア』のカウンセリングルーム。カウンセラーの持田(もちだ)透子は会員の女性にテーブル越しに迫られていた。

香織(かおり)さん、落ち着いてください」

 透子がなだめるように声をかけても、彼女の勢いは止まらない。

「医者だけどそこまでイケメンじゃなかったのよ。年もだいぶ上だったし。向こうから断ってくるなんて、私のどこが気に入らなかったの」

 透子が担当しているこの女性、別所(べっしょ)香織は大手メーカーの秘書室で働いている三十歳。

 入会から半年、お見合いは組めてもなかなか交際に進めず、やっと仮交際に進んでいた相手がいたのだが、先方からお断りが入り、交際終了になってしまった。

「こういうのは相性ですから。今回はご縁がなかったということで、次の出会いに切り替えましょう」

「結婚相談所に入ったら、すぐに条件のいい人と結婚できると思ってたのに」

 透子が慰めると、少し落ち着いたのか香織は肩を落として、力なく愚痴を吐いた。
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