私たちの友情は一生不滅!

引きとめる手

伊奈はフラフラと家を抜け出していた。



向かったのは、街を流れる大きな川に架かる橋の上だった。



冷たい夜風が、ボサボサになった伊奈の髪を乱暴に揺らす。



橋の欄干に手をかけ、下を覗き込む。黒く淀んだ水面が、街の明かりを鈍く反射して不気味に揺れていた。



「ここから落ちれば、全部終わる……。痛くないよね、きっと、すぐにみんなのところに行けるから……」



頭の中はすでに正常な思考を失っていた。



生き残ったことへの耐え難い苦痛から逃れるため、伊奈はゆっくりと欄干に足をかけようとした――その時。



「馬鹿野郎!! 何やってんだよっ!」



突然、背後から荒々しい声とともに、ガシッと強い力で腕を掴まれた。



そのまま後ろへ引っ張られ、伊奈の体は冷たいアスファルトの上へと転がされた。



「っ……痛……」



息を荒げ、目の前で仁王立ちしていたのは、クラスメイトの井田賢人だった。



いつも無愛想で、授業中もうたた寝ばかりしている彼が、今は血走った目で伊奈を睨みつけている。



「賢人……くん……?」



「ふざけんなよ、桜坂。お前、今なにしようとしたと思ってんだ!」



賢人の手が激しく震えている。



その目には、怒りだけでなく、紛れもない恐怖の色が浮かんでいた。
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