喪失の夜に、あなたがいた
第3章:契約結婚の提案(楓SIDE→明莉SIDE)
(楓SIDE)

明莉がこの家に来てから、数日が経った。
静かな日々が続いている。
その静けさは、彼女を休ませるために必要なものだった。

けれど——
楓はその静けさの裏で、ずっと考えていた。

どうすれば、彼女を守れるのか。
どうすれば、これ以上傷つけずに済むのか。
どうすれば、佑輔が守れなかったものを、自分が守れるのか。

キッチンでコップを洗いながら、
楓はふと明莉の方へ視線を向けた。

ソファに座り、窓の外を見つめる彼女の横顔は、
どこか儚くて、触れたら壊れてしまいそうだった。

(……このままじゃ、また世間に潰される)

佑輔の死。
明莉の流産。
その事実が外に漏れれば、
世間は容赦なく彼女を叩くだろう。
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