イケメン三兄弟×美少女三姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──恋に興味のない私は、姉妹の恋を見守ります。──

第3話:雨上がりの相合傘

急な夕立に見舞われた下校途中。
商店街の軒先に、6人は並んで雨宿りをしていた。
「うわ、すごい雨……。傘、私一本しか持ってないや」
こはるがバッグルをごソゴソと漁りながら困った声を上げる。
「じゃあ、俺のと――」
すかさず声をかけようとした蒼を遮るように、なぜかちはるが元気よく手を挙げた。
「あ、こは姉、私と一緒に帰ろ! 私の傘に入る?」
「え、いいの? ちはる、ありがとう!」
「よし、決まり!」
完璧なタイミングで蒼のチャンスを粉砕したちはるに、蒼は天を仰いで絶望した。
一方、旭はというと、自分の折りたたみ傘を黙って取り出すと、迷うことなくちはるの頭上に差し出した。
「……ほら、濡れるだろ」
「え? 旭は?」
「俺は走るからいい」
「えっ、風邪ひくじゃん! 一緒に入ろうよ、みーちゃんも一緒に――」
「バカ、お前ら二人で入れ。俺は歩と帰るから」
旭は無理やりちはるの手に傘を押し付けると、近くにいた歩の肩を強引に掴んだ。
「おい歩、行くぞ」
「……は? 俺、みはると帰るんだけど」
「いいから来い」
無理やり引きずられていく歩を見送りながら、みはるはげんなりとため息をついた。
「……めんどくさ。青春ごっこも大概にしろっての」
「本当だな。……で、みはる、濡れるからこっち来いよ」
歩が差し出した傘の下に、みはるは文句を言いつつもちゃっかりと収まる。
雨上がりの街並みの中、鈍感な長女に悶絶する長男と、不器用すぎる次男に振り回される次女、そしてそれを冷ややかに見守る末っ子たち。
いつもの変わらない距離感は、今日も少しも縮まらないまま、それぞれの家路へと続いていくのだった。
< 3 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop