花束は君を守るために
───
花屋へ向かう途中
夕方の立体駐車場
人通りは少ない
彩花は近道をしようと
駐車場横の通路へ入る
その瞬間
柱の陰から低い声がした
「やっと」
彩花の呼吸が止まる。
ゆっくり姿を現したのは――
直樹だった
その目はこれまでとは
比べものにならないほど静かで
そして危うかった
直樹「二人でいると
邪魔が入るからな」
直樹は一歩、彩花へ近づいた
私の身体は、恐怖で動かなかった