男と女に友情は存在しない。
『いつ帰ってきたの?』
「昨日の夜」
『日本に帰ってきてる時は仕事は休みなの?』
「なわけない」
『太陽も仕事終わり?お疲れ』
「お疲れ、乾杯」
『乾杯』
太陽はビールで、私は水で乾杯した。
成人してから2年半。まだビールの味には慣れない…
慣れる日が来るのかな。
大人みたいにカッコよく飲むのが夢だったりする。
今日も太陽のビールを一口もらったけど…やっぱり私の口はまだお子ちゃまだった。
『アメリカの生活は楽しい?』
「うん、まぁ楽しいかな」
『友達いるの?』
「お前よりはいる」
『いや〜太陽には負けるよ』
「お前、沙良と俺しかいないっしょ?」
『…ぃるよ!』
はい、その通りです。
図星すぎて、動揺してしまった。
それを察して、太陽は大爆笑だった。普通にうざい。
『最低』と、言ったところで心が動くタイプではない。
黙って自分の好きなお寿司を食べ続けていた。
『なんか頼む?』とか『何が好きなの?』とか、聞く紳士的なことは…ないよね。
うん、この人に求める方が馬鹿よね。
『だから、振られるんだよ』
「梨紗、彼氏できた?」
『仕事仕事仕事の毎日です』
「俺ら付き合ってみる?」
『ね、待って…吐きそう』
「ごめん、俺も」
太陽を男として見れる日が来るだろうか。
もし、そんな日が来た時はどっちかの頭がイカレタ時。
考えれば考えるほどあり得なかった。
考えれば考えるほど、吐き気がした。
『あっちで彼女作ればいいじゃん』
「いるよ」
『いるの?可愛い?』
「可愛いけど、性欲が強い」
『写真見せて』と、言うと素直に見せてくれた。
『めっちゃ可愛い!太陽には勿体無い』と笑うと「あっちから言ってきたんだよ」と言っていた。
まぁ、太陽の顔はカッコいいとは思う。
うん、言っとくけど顔だけね。
スタイルも抜群で、確かに太陽が好きなタイプかも。
『太陽って結婚したいなって思った子いるの?』
「芽衣かな」
『あぁ、なるほどね。この子は?』
と、今の彼女が写っている写真を見せると「まだ付き合ったばっかだからわからない」とちゃんとした答えが返ってきて驚いた。
『ちゃんと考えてるのね』
「そりゃそうだろ」と笑っていた太陽。
太陽は顔だけで寄ってくる女の子が多いから、女の子に困るタイプじゃない。
だから、簡単に考えてるかと思ってた。
けど、意外にもちゃんとしてて少しだけ見直した。