この恋、上方修正銘柄です!

 土曜と日曜の午前中まで、九条のテラススイートでずっと一緒に過ごした。

「1週間、いや2週間……電話も何もつながらんかもしれんけど、必ず連絡する。だから、何が起きても俺のこと、信じて待ってて欲しい」
「……どうしたの、急に」
 九条の腕と足が絡まる、気だるい体を動かし、顔を見上げる。
「何かあった?……九条くん?」
 返事の代わりに両手首をとられ、ベッドに組み敷かれた。

「何で九条吏やってこと、直ぐ名乗らんかったかって、俺に聞いたことあったよな」
「……うん」
「もっともらしい理由があるにはあるけど、それも携帯パクられた時とおんなじ言い訳かもなって最近思う。……昔の俺はええ加減な奴やったし、忘れられてるなら別にそれでも良いと思ってた。高辻にしても、俺の記憶にいる高辻のままなわけない、人なんて変わってしまうもんや、そう思ってた。そやのに知れば知るほど、高校時代と全然変わってなくて。気付いたらまた、昔と同じように好きになってた」
 拘束が緩んだ手を伸ばし、頬に触れる。
「九条くんは、私が知ってる九条くんとは、やっぱり少し違ってて。九条アーヴィングと九条吏、両方を見せられて、気がついたら昔よりもずっと好きになってた」
「……なにそれ。俺の好きが負けてるみたいやん」
「だって、そうだもん」
「なら、今から教えたる。俺が高辻のこと、どんだけ好きで、どんだけ大事で、どんだけ飢えてるか」

 九条は脇にあったバスローブの紐を手に取った。
「え、ちょっと、何する気……?」
「しばらく会えへんからな。俺なしでは生きていけへん身体にする気」


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