夏のせいにして
私と君と君

「あっついね〜〜」

『まあ、夏だし?』

そう言って隣人の幼なじみはTシャツの裾をまくる

いつからだろうか窓越しに話すようになったのは


私、清水陽菜(はるな) ピチピチ女子高生
好きな食べ物はアイスと肉まん、あとお母さんの豚汁


『てかお前彼氏いたんじゃなかった?』


横から傷をえぐってくるこの男は
幼なじみの長男、石神陸斗(りくと)

てか、別れたこと話したじゃん、、、


「いつの話それ〜春に別れたよ」

『そうだったか?ふーん』


無愛想な返事にも慣れたものだ


「そう言えば今日時子さんは?」

『母さん?あぁ海星の迎えに行ってる』

「海ちゃん遅くまで部活やってるんだね」


ふと時計を見ると時刻は20時を回っている

夏の夜って昔からちょっと切なくて
でも甘酸っぱくて 好き

こうして陸斗と話していると時間を忘れてしまう

思えばいつもなにかあると話してたっけ
陸斗はあんまり自分のこと話さないけど


「あ、のさ 陸は彼女作んないの?」


そういえば陸斗の浮ついた話って聞いたことない

てか、恋愛感情とか持ってるのかな


『まあそのうちなー』


そのうちねえ、、、

視線を逸らした陸斗の表情は読めない


「夏なんだから女の子と花火とかお祭りとか行っちゃいなよ〜」


とかいう私も彼氏も好きな人もいないんですけどね

『お前はほんっと、、、あ、母さんたち帰ってきたわ、ちょっと行ってくるわ』


そう言い残すと陸斗は立ち上がり部屋を出ていった

私もすることないし、久しぶりにペディキュアでも塗ろうかな

「よいしょっと」

独り言を挟みながら私も窓を閉めた
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