夏のせいにして
ーーーガチャ
「入るよ〜」
『あ!陽ちゃんもゲームしようよ!』
海ちゃんはゲームをしながら声をかけてくる
2人とも真剣な顔でゲームやってる
男の子だなあ
「ううん、見とくからやってて!」
2人は私に目もくれず
画面に釘付けになっていた
昔はよく一緒にゲームしたっけ
陸は手加減してくれないからよく私、怒ってたなあ
『あー!また負けたあ』
悔しがる様子の海ちゃんに対して
陸は余裕そうな顔をしていた
『兄ちゃん手加減してよぉ』
『するわけねーだろ、バカ』
片方の口の端だけ上げてフッと笑う
陸も陸で海ちゃんがかわいいんだろうなあ
小さい頃から影で守ってきたもんね、海ちゃんのこと
『海ー!お風呂はいっちゃいなさいー!』
1階から時子さんの声がする
よく通る ハキハキした声
『ほーい!じゃーおれ風呂入ってくるねー』
手際よく準備をして1階へ降りていく
よく話す海ちゃんがいない部屋は、しーんとしていた
私は親友の相澤瞳にメッセージを返していた
『なあ』
陸が沈黙を破る
「んー?なあに?」
私はスマホを見ながら陸に返事を返す
だが陸からの続きの言葉はない
「え?なにどうしたの?」
何も言わない陸が気になり顔を見た
いつもぶっきらぼうな顔がもっとぶっきらぼうに見える
目を逸らしながら陸が言った
『再来週、夏祭りいくか、あそこの』