財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 私は母子手帳に挿んでおいた赤ちゃんのエコー写真を差し出した。
 惺也くんはそれをじっと見つめ、そして、口元を覆いながら破顔した。
 薄っすら涙ぐんで見えるのは、気のせいかしら……?

「――私、ママになっていいんだよね?」
「なっ、当たり前だろ! 俺と李茉の子だ」

 ぎゅっと抱きしめられ、心の底から安堵した。

「……ありがとう、李茉」
「私ね、一人で育てようと思ったの。でも……」
「もう何も言うな」

 ぬくもりと鼓動が、〝ここにいていい〟と教えてくれる。
 腕がゆっくり解かれ、惺也くんはソファから立ち上がり、私の目の前に片膝をついた。
 そして、私の目の前に小さな箱を差し出し、静かに箱を開けた。

「たくさん不安にさせて、ずっと待たせてすまない」
「……ううん」

 嬉し涙で視界が滲む。

「契約ではなく、本当の夫婦になりたい」
「……っ」

 彼の熱い眼差しに、息が止まる。

「李茉の世界を俺にくれ。……李茉も、お腹の子も、必ず俺が守るから」
「……はい、喜んで」

 それ以外の言葉が思い浮かばなかった。
 左手の薬指に、二重のエタニティダイヤが輝く。
 見たこともないほどの眩さで、ずっしりとした重みに、そのすべてに彼の愛が込められている気がした。

「李茉、……愛してる」
「私も、愛しています」
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