10歳下のキミに初めて恋をした

スポットライトのうらがわ

二十八歳になった麗奈は、都内のアパレル企業でバイヤーとして忙しくも充実した日々を送っていた。





その日も新作の打ち合わせでテレビ局を訪れていたのだが、廊下の隅で、不意にスタッフに囲まれた一人の長身の男性とすれ違う。




「――麗奈ちゃん?」




周囲の喧騒が嘘のように静まり返った。





声をかけられて振り返った麗奈の視線の先にいたのは、サングラスを外し、あの頃の面影を残したまま、圧倒的な大人の色気をまとった橘健太その人だった。





健太は、今や日本中誰もが知るトップ俳優となっていた。





「ずっと、探してた」





ドラマの撮影の合間を縫って、健太は麗奈の手首を掴み、誰もいない機材倉庫の陰へと引っ張り込んだ。





密室のわずかな隙間から差し込む光の中で、十年の歳月が縮まり、息が止まるほどの緊張感が二人の間に走った。
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